電気感覚の研究

 浅野(1985),ASANO andHANYU(1986,1987a,b,c) はナマズの電気感覚に関する研究を行った(図1).研究内容は,ナマズの電気刺激に対する周波数特性および閾値,魚体周囲の水中電場形状と形成機構,電気受容器である小孔器の電気生理学的性質,生物学的意義と分けられている.ナマズの電気刺激に対する反応の判定方法は,適刺激となる電気刺激を与えると呼吸運動が乱れることを基準にしている.実験の結果,ナマズは電気刺激に非常に敏感で,1~30Hzの電位変動によく反応し,0.05μV/cmの閾値が認められ,100Hz以上では急激に反応が低下する結果が得られた(図2).ウナギ・コイについても同様な方法で調べたところ,それぞれ1mV/cm,30 mV/cmの閾値が得られたが,両者とも周波数特性は不明瞭であった.ナマズが小孔器を含む感覚系により,その保身に不可欠な情報,餌や外敵の存在を示す情報を電気的な形で捉えていることを明らかとした.

 

 図1 ナマズの電気感受性の閾値測定装置

 図2 ナマズの電気感受性の閾値測定装置