行動分類の定義

2004年~ 自動画像解析と行動分類表の作成


2004年、画像解析ソフト(NIH-Image)を利用した自動画像解析を行い行動の要素を抽出して、行動分類表の作成を行った。遊泳軌跡については目視による分類である。



表 行動分類表

 


2002年 ビデオ画像解析と行動分類表の作成

 ナマズの飼育水槽の上に設置したビデオカメラを用いて24 時間1 秒毎にナマズの様子を記録した.対象行動は2002 年8 月18 日0 時から24 時までの24 時間分,飼育している研究室に人が入らない日を選定した,ナマズが塩ビ管から出て戻るまでの行動を24 時間の内から抽出した.これらの画像に手動で1 秒毎の画像にイラストレーターにより作成したナマズの骨組みを当てはめていった.完成したナマズの行動の軌跡をビデオ画像と比較して文章化した.また,ビデオカメラと共に水槽に設置されている振動センサー,生体電位センサー,通過センサーの反応についても詳細に分析した.続いて、行動分類表の作成を試みた.

 

図 行動と各種定量化センサーとの比較



表 行動分類表

 


2001年 行動の定義付け

  生体電位,光通過センサー,振動計などが,どのような行動要素(潜在,頻度,持続時間,強度)を記録するかは,まずナマズの行動を理解した上でないと議論できない.そのために定量化の試みと同時にビデオ撮影や目視などによる観察から,行動パターンを明快に区分し,包括的であいまいさを含まないような行動の定義付けをおこなう必要がある.この作業により各種の数値がどのような行動を意味するかの提示が可能になると考えられ,再現性のある研究には必要不可欠であろう.
  ビデオ撮影(10秒毎に撮影)による映像から, ナマズの行動の流れを把握する試みをFig. 4-2と同日で行った結果(準備中)を図1に示す.現在はビデオ撮影は自然光を利用しているため一日のうち撮影時間帯が制限される.図からは各種定量化センサーの反応時における行動の流れが把握できる.塩ビ管から数十秒間出て戻る行動1,2のパターンや泳ぎ回る行動3のパターン,塩ビ管からは出たが高さの低いLowdeck領域にしばらく居つづける行動4のパターンなどが確認できる.行動2の終了時から行動3の開始時までの間に, 塩ビ管内のナマズは向きを反転させている.反転した画像を確認することは出来なかった. 現状の撮影方法を再検討の必要がある.課題は残るものの,このような結果からナマズの行動とその定量化の方法に関して議論ができるようになる.今後,解析数を増やしてナマズの行動を把握し定義づけを行う予定である.

 

図 ビデオ撮影によるナマズの行動の軌跡