各位

 以下の研究討論会の案内の投稿を依頼されました.重複してお受け取りになられる
場合があるかと存じますがご容赦下さい.なお本メールは転送自由です.

東海大学
長尾年恭

研究討論会のおしらせ

会名:FM電波観測で捉えた地震関連異常に関する検討会
日時:2003年9月12日(金) 午後1時ー5時
場所:八ヶ岳ロイヤルホテル
参加費:2,000円(会場借料、資料代)
主催:SEMS(Seismic Electric Magnetic Signals, 地震電気磁気信号)研究会

FM電波の異常受信が地震に先行するという可能性が指摘されています。特に、串田嘉男氏は、その研究によって、9月半ばにもマグニチュード7クラスの地震が関東南部 で起きる可能性ありとされています。詳しい情報は9月7日には http://epio.jpinfo.ne.jp/ に掲載される由ですし、ことの重要性・緊急性から、9月8日発売の「週刊朝日」もこれを採りあげる予定とのことです。

地震予知は科学的にも社会的にも、極めて大きな問題です。多大の困難が認識されていますが、串田氏の方法は一定の成果をあげているかのようには見えます。しかし、いままでのところ、十分な科学的検討を経たとはいえません。地震とFM電波の伝播異常との関係は、既成の専門家の存在しない高度に学際的な新しい分野です。したがって、この問題を多角的・客観的・批判的に検討するのが急務であろうと思われます。このような視点から、今回、大変急な話ですがなるべく広い専門分野(地震、地球物理、電波科学、超高層物理、天文、物理など)の研究者の皆様にご参加をお願い申し上げ、徹底的討論をしたいと思います。

予定としては、串田氏に1時間ほどの説明をうけ、関連観測をはじめられた2.3の方に報告をお願いし、後は実質的free discussionにたっぷりの時間を当てたいと考えております。当日ホテルに宿泊される方々のご希望があれば、夜間討論も可能かもしれません。

迫り来る予想日をひかえて、串田氏が観測所を離れがたいことと、必要に応じて観測現場を視察できることを考慮して、不便ですが会場を八ヶ岳ロイヤルホテルに設定しました。どうか、ふるってご参会くださるようお願いします。

会場へのアクセス:地図
自動車利用・・中央道 長坂ICより約15分
JR利用・・・・中央線小淵沢乗り換え、小梅線甲斐大泉駅下車 徒歩15分 タクシー 約3分
中央線小淵沢駅よりタクシーで20−30分
八ヶ岳ロイヤルホテルHP
http://www.daiwaresort.co.jp/yatsugatake/index.html←最初、エラー画面になりますがリンクをたどって下さい

東京あたりですと十分日帰りはできますが、SEMS研究会主催の会議参加と申告すれば、宿泊は特別料金(割安)とのことです。ホテル側の担当は河村さんだそうです。

なお、研究討論会は公開ですが、会場設定・資料整備などの都合もあり、 ご出席予定 の方は上田誠也宛てにご一報ください。e-mail suyeda@st.rim.or.jp でもfax(0543-36-0920) でも結構です。

複数通知お受け取りの節はご寛容ください。

呼びかけ人
有馬朗人 上田誠也


各位:

過日(9・12)八ヶ岳において開催されたSEMS 主催FM電波の異常受信による串田嘉男氏の地震予測に関する学術討論会についてご報告いたします。

Short-noticeにもかかわらず、12日には八ヶ岳まで100名以上の方々が足を運ん でくれました。今回のことを機に純粋に科学的興味をもった異分野の人々の集まりで した。

上田の趣旨説明(いきさつと、検討会終了までは学術的討論に限る旨)の後、伊勢崎教授(千葉大)の司会で、串田氏の約1.5時間の説明(簡単な質疑応答あり)が行なわれました。会場の壁にはかなりの生データが展示され、串田氏はそれらを指し示しながら、従来の経験と今回の予報の根拠を提示されました。

小憩後、長尾教授(東海大)の司会で、近田義広(国立天文台)、森谷武男(北大)、鴨川仁(東京学芸大)によるprepared discussionが行なわれました。近田氏は串田氏の観測事実は実在と思われるとし、更に確度をあげるためのFM波「反射」領域の位置決定が可能であろうと指摘されました。森谷氏は「週刊朝日」でも紹介された北大での観測の説明され、現象の実在性を支持されました。鴨川氏も類似の観測をしていますが、今回は予知についての原則論を展開されました。現象の規模と、先行現象の規模に正の相関があるか否かが重要な決め手であることを強調されました。

その後は、観測の詳細や、メカニズムについて各方面の専門家からの活発な質疑が続けられ、予定の5時終了が約1時間延長されました。これにて、有馬/上田 呼びかけの検討会は終了し、後は各メディアが串田氏、ほかの参加者に取材をしました。夕食後、8時頃から、宿泊組20人ほどで更に議論が11時ごろまで続きました。

串田法に初めて接する参加者が多く、かならずしもあまり突っ込んだ批判・討論には至らなかったのはやむを得なかったですが、広く異分野の研究者の関心と理解を得るには極めて有意義であったと思われます。また、複数の研究者による検証実験が急務であるとの意見が満場の賛同を得ました。

串田氏の講演を50分ほどにしたもの、および検討会後の串田氏取材の模様(15分ほど)は、 http://www.iiv.ne.jp/news/ で動画で見ることができます。

有馬朗人   上田誠也


PS.9・20には房総半島海岸域でM5.7?の地震が起きました。これに関わる最新情報・見解は彼のHP(公開実験参加者有志による観測応援班のページ) http://epio.jpinfo.ne.jp/で公開されています。