センターの歴史

設立の経緯
 東海地震説の発表から35年以上が経過し,静岡県が防災対策の先進県となったことは確実です.しかし,最後に人
命を守るのは「直前地震予知」の実現です.
 残念ながら,静岡県は東海地震の想定震源域の真ん中に位置しているにもかかわらず,人が常駐して地震予知研
究を実施している機関は存在しません.
 また地震予知研究の困難さが喧伝されるこの時代において,「直前地震予知の可能性を少しでも高める」研究はまさ
に静岡の住民が行うべきだとの松前達郎東海大学理事長の考えから,清水校舎・海洋研究所の中に地震予知研究セ
ンターを設置する事が1994年の暮に決定しました.その翌年,阪神大震災が発生し,多くの尊い人命が奪われた事は
まだ記憶に新しいことと思います.

研究の基本方針
 2011年の東日本大震災は予知研究に大きな衝撃を与えました.それまで地震研究者は地震が「どこで」,「どれくらい
の規模で」発生するかはわかっていたと考えていたのです.つまり東北地方でマグニチュード9という地震が発生すると
は思っていなかったのです.
 短期・直前地震予知は,静岡県のように津波が地震発生後逃げるまもなくすぐ襲ってくる地域の防災・減災の最後の
砦です.
 近年,地震の短期・直前研究は劇的に進み,内閣府の報告書でも「地震との相関を否定できない異常現象が存在す
る」という事が記載されるまでになりました.本センターでは電磁気学的な地震先行現象の研究を行なうとともに,地震
活動度の変化(地下天気図)やGPS地殻変動にも着目し,研究を進めていきます.

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